石けんを選ぶ際、アトピー性皮膚炎や敏感肌の人々にとっては、使用する製品の成分が特に重要です。
様々な石けんが売られていますが、伝統的な製法と無添加をうたう製品の中で、特に「シャボン玉石けん」が注目を集めています。しかし、この石けんに対して「買ってはいけない」という意見も存在していることが知られています。
この記事では、シャボン玉石けんの特徴、合成洗剤との比較、そして買ってはいけない理由について詳しく解説します。
シャボン玉石けんはどんな石けん？
シャボン玉石けんは、純粋に石けん成分のみを使用し、余計な添加物を一切加えない「無添加」製品です。これには、酸化防止剤や着色料、香料、合成界面活性剤が含まれていません。
市場には無添加とうたう洗剤や洗顔料が多数存在しますが、日本では添加物の含有量が1%未満であれば成分表示の必要がないため、実際には何らかの添加物が含まれている可能性があります。
シャボン玉石けんと一般的な合成洗剤との違いは、使用される原料、製法、成分に大きな差があります。シャボン玉石けんは天然油脂を主原料とし、ケン化法や中和法によって製造されます。これに対し、合成洗剤は石油ベースの原料から化学合成された界面活性剤を含み、追加の化学物質が使用されることもあります。
成分に関しては、シャボン玉石けんは「石けん素地」や「カリ石ケン素地」、あるいは「純石けん分（脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム）」から構成されています。これに対して、合成洗剤は合成界面活性剤を主成分とし、その製造過程で多くの化学反応が関わっています。
合成界面活性剤について
合成界面活性剤とは、物質の界面（水と油、水と汚れなどが混ざらない境界）の性質を変えて、異なる物質を混ぜ合わせる能力を持つ化合物です。この界面活性剤の一種として、石油由来の原料から人工的に製造される合成界面活性剤があります。
シャンプーなどの洗浄製品で見られるように、これらの界面活性剤は、通常の水洗いだけでは除去できない皮脂やワックスを効果的に取り除きます。しかし、合成界面活性剤は肌に残りやすく、肌への刺激が強いことがあり、また、一部の化学物質は人間や生態系に有害な影響を与える可能性が指摘されています。
環境面では、これらの界面活性剤は水系環境に排出された後も容易には分解されず、環境汚染の一因となることがあります。
シャボン玉石けんは、これらの合成界面活性剤を含まない無添加の製品であり、そのため敏感肌やアトピー肌の人々にも使用が推奨され、肌だけでなく環境にも優しい選択肢とされています。
シャボン玉石けんを買ってはいけないのはなぜか？
多くの人が疑問に思うかもしれませんが、「環境にも肌にも優しい」とされるシャボン玉石けんには、買ってはいけないと思える理由があります。
まず、この石けんは独特の臭いがします。多くの人々が香料を含む合成洗剤に慣れ親しんでおり、無香料で自然な石けんの香りがするシャボン玉石けんには違和感を感じることがあり、「臭い」と感じる人もいます。
さらに、汚れ落ちに対する効果が低いという意見もあります。これは、合成界面活性剤を使用していないため水に溶けにくく、効果的に汚れを落とすためには多量の石けんを必要とすることが原因です。
また、シャボン玉石けんの製造元の広告や公式ウェブサイトが他の洗剤を批判的に評価する傾向にあると感じる消費者もいます。これらは、製品の「無添加」や「伝統的な製法」を強調するあまり、他の製品との比較から生じることがあります。このため、企業の姿勢に対して否定的な見方を持つ人もいるかもしれません。
さいごに
総合的見ると、シャボン玉石けんは肌や環境には優しい選択肢ですが、独特の臭いや汚れ落ちの問題、企業の姿勢に対するとらえ方を考えると、すべての家庭に合うわけではないと言えます。そのため、個々のニーズや家庭の状況に応じて最適な製品を選ぶことが大切です。利便性を重視する現代の生活では合成洗剤が適している場合もありますが、敏感肌やアトピーのある家庭ではシャボン玉石けんが適切な選択かもしれません。必ずしもシャボン玉石けんを買ってはいけないとは言い切れないでしょう。
